より良い商品をお客様にお届けするため
店舗と自社工場の連携を強化しているヨークベニマル。
その鍵となる製販一体についてご紹介します。
ヨークベニマルは
原材料の集荷・製造・加工・物流・販売にいたるまで
消費者に届く全てのプロセスをグループで担っている。
流通の一般的な流れは、メーカーが製造した商品を卸売業者が仕入れ、小売店が消費者に向けて販売をします。一方でSPA(製造小売業)とは、製造から販売までを一つの企業(グループ)が一貫して行う業態のこと。アパレル業界や家具業界などでは、見受けられる業態ですが、食品分野で製販一体型のSPAモデルでビジネスを行っているのは珍しく、ヨークベニマルの独自の強みといえます。
原材料の仕入れから商品の加工や生産、店舗での販売まで、一貫したサプライチェーンを構築することで、他のスーパーとは違ったヨークベニマルオリジナルの商品を生み出すことができます。また、オリジナル商品を提供することで、お客様から評価していただければ、ヨークベニマルのファンを増やしていけると考えています。
どんなに良い商品をつくっても、お客様のニーズにマッチしていなければ意味がありません。だからこそ、店舗と本部、そして工場が一丸となってお客様の声に耳を傾け、お客様のニーズやその地域ならではの特性にあった商品をつくり、お届けする。これができることこそ、SPA最大の強みです。
原材料の調達から販売までの全工程を一貫して行うため、コストが抑えられ、高品質な商品をリーズナブルに提供できることもSPAのメリットです。また、これまで生鮮品売場で扱えなかった規格外の野菜や果物などをムダなく活用できるため、品質の良い加工商品を低コストでつくれます。これはお客様はもちろん、生産者の方々、そして私たちヨークベニマル、それぞれにメリットをもたらしています。
中食とは、調理済みの惣菜や弁当などを買って自宅で食べるスタイルのことを言います。自宅などで手軽に楽しめる調理済みの惣菜は、調理の手間がなく手軽に食事ができることから、ここ10年間における生活様式や食文化の変化によって、中食需要が急成長しています。また、コロナ禍によって、多くの人たちが外食を控えていた時期に中食に慣れ親しんだことから、高付加価値惣菜の品目数が増加し、プチ贅沢品としても消費者に受け入れられるようになりました。
製販一体をより強化していく取り組みとして、これまで各組織で培ってきたノウハウを集結し、部門の垣根を越えてオリジナル商品を共同開発。第一弾は「自社製造タレを使ったアンガスビーフのプルコギ焼肉」。これは化学調味料に頼らないタレ・ソースを扱う工場(製造拠点)があるという強みと、精肉の目利き・調達のプロフェッショナルである精肉部が、互いの強みを生かしながら生まれた商品です。また、第一弾以降も「鶏肉と味噌のガーリック焼き」や「豚の生姜焼き」、青果部×デリカ事業本部(工場)による「三ツ星野菜のドレッシング」など、強みを活かし、オリジナル商品の開発スピードを加速させています。
これまでもヨークベニマル(旧ライフフーズ)の惣菜は、うま味調味料や食品添加物をできるだけ使用せず、素材本来の味にこだわり、「体に優しく、おいしいもの」を重視してきました。新ブランドである「with mom 365(ウィズマム365)」では、これまで重視してきたことに加え、「健康的で若々しい、おしゃれなデリカテッセン」をコンセプトに、シンプルでスタイリッシュなデリカを提案していくブランドです。今までの和風なイメージの惣菜だけではなく、「アジアンデリ」「レストランデリ」など商品設計を多様化し、さらに商品の容器までスタイリッシュにアレンジしています。with momの立ち上げによって、20~30代の若い客層へのシェアをより広げていきたいと考えています。
製販一体の取り組みは、商品開発や工場における製造・加工に限った話ではありません。店舗が主体となってお客様の声を汲み取ることはもちろんですが、差別化された魅力的な商品を“品切れさせず”にお客様にお届けし、“ロスなく売り切る”ことが店舗においてとても重要です。各店舗がさまざまなデータを参考に、「どの商品が、どれくらいの量で、どの時間帯に売れるのか」という仮説を立てて、時間別の販売計画に基づいて商品を発注し、販売を実施しています。このように店舗が意思を持って販売することで、ピークタイムに合わせて鮮度の良い商品を適切な量でお客様にお届けすることができると考えています。
自分たちで考えた「体に優しく、おいしいもの」を実現するために欠かせない存在であり、ヨークベニマルのオリジナル商品を支えているのが自社工場です。ヨークベニマルでは、4つの工場を福島県と宮城県に構えており、各工場では仕込み〜加熱調理、盛り付け、パック詰めなど、デリカ商品ができるまでのさまざまな工程を担っています。